ブルーラジカル ~ 新しい歯周病治療
当院では、東北大学発の先進の医療技術である「ブルーラジカルP-01」を導入し、従来の歯周病治療では難しかった深部感染へのアプローチを可能にしています。約17年の研究開発を経て誕生したこの治療法は、痛みや侵襲を最小限に抑えながら、効果的な歯周ポケットの殺菌と組織再生を促す最進技術です。
ブルーラジカルとは
東北大学発の革新技術
「ブルーラジカルP-01」は、東北大学の工学部・歯学部の共同研究から生まれた、日本発の最新歯周病治療法です。青色光と過酸化水素を用いた「光化学反応」により、歯周病の原因菌を的確に殺菌し、歯周組織の回復を促します。
約17年の研究開発の末に誕生
2000年代から始まった基礎研究をもとに、臨床応用・安全性評価を経て、17年もの年月をかけて開発されたこの治療法は、確かなエビデンスと臨床成果に裏打ちされています。
重度歯周病に対する効果を国が認めた唯一の歯周病治療器
これまでの治療器は、歯周病治療に対する治験を行っていないため、単に歯垢・歯石の除去という使用目的で、明確に歯周病治療に有効であると表現ができませんでした。「ブルーラジカルP-01」は、従来の治療法と比較して、歯周ポケットを優位に減少させることを治験で証明した唯一の治療器です。このため「ブルーラジカルP-01」は、“歯周炎のステージⅢ・Ⅳの患者に対して、歯周ポケット内の殺菌と同時にスケーリングを行う”という明確な使用目的と、“歯周ポケットの減少”に対してコミットする初めての治療器になります。
新時代の歯周病治療
東北大学の菅野太郎教授らは、「歯周病は、患者が“歯に興味がなくなること(ネグレクト)”から始まる」と提唱します。歯周病の原因療法と対症療法の双方に新しいテクノロジーでアプローチする「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY」を提唱し、17年の歳月をかけてブルーラジカルを研究・開発しました。 菅野太郎教授らが提唱する『NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY』とは、歯周病をコントロールするためには『原因療法』として、“歯に興味を持たない” から “歯に興味を持ち続ける” という患者の行動変容と、『対症療法』として、歯および歯周ポケット内の徹底的なプラークコントロールの2点をセットにした新しいアプローチが必要であると考えるものです。
従来の治療法との違い
従来:スケーリングや外科的処置が中心
これまでの歯周病治療は、手作業によるスケーリングやフラップ手術など、患者さまにとって侵襲性の高い処置が必要でした。
ブルーラジカルP-01:非侵襲・高効果
ブルーラジカルは、光と化学反応を利用した「非接触型」の治療です。痛みが少なく、治療時間も短縮されるため、患者さまの身体的・精神的負担が大幅に軽減されます。
従来の治療法(超音波振動のみ)
重度になると口腔内細菌が存在する歯石の取り残しが増え、治癒が難しくなります。取り残した部分には、抗菌薬の投与といった副作用を伴う化学療法が必要になります。
ブルーラジカル(超音波振動 + ラジカル殺菌)
過酸化水素とレーザー照射によるラジカル殺菌技術により、虫歯菌、歯周病を引き起こす口腔細菌を99.99%殺菌します。人体に影響はありません。
歯周組織再生療法について
ブルーラジカル治療は、レーザー・過酸化水素水を使用し殺菌を行うものです。ブルーラジカル治療は、失った歯周組織を再生するものではなく、バイオフィムを除去し歯周病の進行を抑制することを目指す治療で、歯周病で失った骨を再生するものではありません。失った歯周組織を再生する場合は、エムドゲイン、コラーゲン使用人工骨などを用いた歯周組織再生療法が必要となります。
歯周病の管理が大切
ブルーラジカル治療は、歯周病の管理ができており、治療後の口腔内状態を良好に保つことが重要になります。そのため口腔内管理が不十分な場合、再感染を起こし期待していた結果が望めない場合があります。
ブルーラジカル治療ができないケース
局所麻酔注射ができない方、光過敏症の方、妊娠中の方、無カタラーゼ症の方 などブルーラジカル治療をご案内できない場合があります。
当院のブルーラジカル治療の前提条件
ブルーラジカル治療は、当院で歯周病の治療・メンテナンスをされている方へ提供しています。電話、メールでの相談は受付していません。ご不明な点につきましては来院時のカウンセリングでお尋ねください。
この治療法が適している方
- 中等度〜重度の歯周病で外科処置を避けたい方
- 再発を繰り返す歯周病でお悩みの方
- 糖尿病など持病のある方で侵襲的治療が難しい方
当院での導入と治療の流れ
- 初診・精密検査(CT・歯周ポケット検査など)
- 治療適応の診断
- ブルーラジカルによる非侵襲的治療
- 定期的な経過観察とメインテナンス