ホワイトニングQ&A

ホワイトニングでなぜ歯が白くなるの?

ホワイトニングには、主に過酸化水素という薬剤を使用します。オフィスホワイトニングでは、この薬剤を歯の表面に塗り、さらにレーザを当てると光分解によって反応が促進されます。分解時に発生する活性酵素、フリーラジカルが、歯の表面に沈着した色素を酸化、分解して脱色します。この活性酵素が、歯のエナメル質に光を乱反射させ、黄色がかった象牙質の色をカバーします。

またホームホワイトニングでは、過酸化尿素を使用しますが、酸化反応の過程で過酸化水素に変化するので、白くなる仕組みはオフィスホワイトニングと同じです。
ホワイトニングでは、歯の色素だけを分解して除去するので、歯を痛めずに白くできるところが特徴です。

ホワイトニングはどのくらい持つの?

ホワイトニングの効果は永久ではありません。残念ながら一定の期間が過ぎると、後戻りしてしまいます。オフィスホワイトニングの場合は、短時間で歯を白くすることができますが、平均で約2ヵ月から3ヵ月程度で後戻りしてしまいます。
ホームホワイトニングの場合、色落ちのスピードはオフィスホワイトニングよりゆっくりで6ヵ月~持続します。持続時間は、着色の度合いや日常の口腔内の環境によって個人差があります。

ホワイトニングの持続時間を長くしたい場合は、ホームホワイトニングがお勧めです。
ただし、ホームホワイトニングは効果が現れるまで時間がかかるので、今すぐに歯を白くしたい場合は、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせたデュアルホワイトニングがお勧めです。

ホワイトニングを受けた日に注意することは?

オフィスホワイトニングを受けた後は、歯を覆っていた被膜が剥がれ落ちている状態なので、喫煙や着色の強い食べ物や飲み物は避けてください。

色の濃い食品としては、カレー、ケチャップ、ソース、タレの付いた食べ物、イカスミなどです。飲み物では、コーヒー、紅茶、コーラ、赤ワインなどです。お勧めの食材は、白色、透明、色の薄い食品です。ご飯、パン、うどん、白身魚、水、牛乳などは、問題ありません。

色は戻ってしまうの?

初めてのホワイトニング後は、どんなにきれいになっても短時間は(約1週間)着色しやすいの状態です。その後もう一度、ホワイトニングすることで白さが長持ちします。
まずは複数回のホワイトニングをお勧めします。

またホワイトニングの白さは食生活、生活習慣の違いによって持続性は異なります。
コーヒーや赤ワインなどの色の強い飲食物を好んで召し上がる方とそうでない方、喫煙する方とそうでない方、食後に必ず歯磨きを行い、定期的な歯のクリーニングを受 けている方とそうでない方など、さまざまです。

白さを保つには、定期的にホワイトニングを行うことが一番です。基本的に歯の色が気になり始めたら、それがホワイトニングのタイミングです。 髪が伸びたから切る、色が落ちたからカラーリング、また冠婚葬祭やパーティがあるから美容院に行くといったタイミングと全く同じです。

また、オフィスホワイトニングは再着色が早いので、ホームホワイトニングの方がいい、という意見を聞きます。正しくもあり、正しくもない、といえます。
オフィスホワイトニングでは短時間に歯の中の着色分子を分解し、その直後には普段の生活に戻りますので、唾液などと一緒に再度「着色分子」が入り込む可能性が高くなります。通常数日後には実感されますので、強く感じられます。

ホームホワイトニングは薬剤が弱く、1回の装着で分解される着色物質の量も少ないので、新たな着色物質が入り込む余地はあまりありません。またマウスピースをしていますので、その可能性が非常に低く、2週間のあいだに歯の色に目も慣れてきます。しかし、最終的に到達する目標の色は同じように達成できます。
また定期的にオフィスホワイトニングを行うことにより、持続期間は長くなります。

 

オフィスホワイトニングとホームホワイトニング
 

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違いは?

ホワイトニングには複数種類がありますが、主なものは「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2つです。

オフィスホワイトニングは歯科医院内でやってもらうホワイトニングです。
早く結果が欲しい方、毎日忙しくてホームホワイトニングができない方、ご自分で手間をかけたくない方にお勧めします。

ホームホワイトニングはご自身専用のマウスピースを作成し、それに薬剤を入れ、ご自宅で行うホワイトニングです。
おうちでゆっくりメンテナンスしたい方、着色が強く長期的にケアが必要な方、頻繁に歯科に行く時間が無い方などにお勧めです。

オフィスとホームの違い

特急列車と普通列車の違いで、所要時間の違いはあっても到着先は同じです。

  オフィス・ホワイトニング ホーム・ホワイトニング
方法 歯科医院で行う方法
歯の表面にホワイトニング剤を塗布し光を照射
歯科医院でマウスピースを作成
ご家庭でマウスピースにホワイトニング剤を入れ、歯に装着して使用
時間 短時間
(約1時間)
長時間
(就寝中の装着を2週間継続)
費用 12,000円(上下前歯) 15,000円
効果 8~10段階の色の改善
(2回のホワイトニング後)
5~8段階の色の改善
(2週間継続後)
持続期間 3~6か月 3~6か月
メリット ・即効性があり、効果が実感できる ・歯科医院でやってくれる ・自分で手軽にできる
デメリット ・奥歯はできない
・ホワイトニング剤が強力なので
刺激が出やすい
・最低2週間以上毎晩継続する
必要があり根気が必要

 

だれでもできるの?

ホワイトニングができない方

・妊娠中の方、妊娠の可能性が高い方、授乳期の方
ホワイトニング剤やホワイトニングそのものが直接影響するわけではありませんが、この時期の方は、体内のホルモンバランスが崩れやすく、ホワイトニングの施術中の緊張感や刺激などにより、ホルモンバランスが崩れ、体調に影響する可能性はないとは言えませんので、避けていただいたほうがよいでしょう。
・無カタラーゼ症の方
体内中のカタラーゼが不足し、過酸化水素が分解できなくなる病気で、口腔内壊疽性炎が認められており、先天性で遺伝的酵素欠損と言われています。
傷口などにオキシドール(2.5~3.5%過酸化水素水)を塗布したときに傷口から泡が出ない場合は無カタラーゼ症の可能性が高いと考えられています。
・小児
ホワイトニングの最低年齢についてですが、基準は16歳以上であれば可能、と考えられています。理由はエナメル質が十分に成長している年齢ならば、ホワイトニングが可能ということです。ただ16歳未満でもエナメル質の状態を歯科医師が判断することで、ホワイトニングは可能になることもあります。
黄色い歯で悩み、精神的な発育に悪影響を及ぼすことを考えると、十分な診断を前提に可能ではないかと考えるのが妥当ではないでしょうか。

白くならない歯ってあるの?

ホワイトニングができる方でも、すべての歯に対して必ずホワイトニングができるわけではありません。ホワイトニングできない歯や効果が低い歯があります。

ホワイトニングできない歯

・自分の歯(天然の歯)ではなく、人工の歯の場合
ホワイトニングは「天然の歯」が大前提です。
入れ歯、差し歯、セラミックや金属などの人工の歯は白くすることができません。
このような人工の歯を白くするには、その歯自体を取り換える必要があります。
歯に詰め物がある場合
詰め物も人工物ですので、白くすることはできません。
もし、治療中で詰め物をする部分が外から見える場合は、ホワイトニングをまず先に行い、その後に最終の詰め物をして周囲の歯との色を合わせることが必要です。
虫歯や歯周病がある場合
ホワイトニング剤が虫歯や歯周病のあるところに付着すると悪化することがありますので、その部分をカバーするか、虫歯、歯周病の治療後にホワイトニングします。
エナメル質形成不全・象牙質形成不全の場合
「エナメル質形成不全」・「象牙質形成不全」とは、歯の成長過程でエナメル質・象牙質が十分に発達できていない状態のことです。このような場合、ホワイトニングを行うと、歯髄(神経が集中しているところ)に刺激を与える可能性があります。
エナメル質に損傷がある場合
その部分はレジンなど樹脂系の材料でカバーしてホワイトニングを行うことが可能です。
神経の無い歯
従来は「ホワイトニングできない歯」とされていましたが、ホワイトニングで歯の色を改善することができます。神経の無い歯の改善度は歯質によって大きく変わります。
まずは表面からホワイトニングを行って、その改善度を確認します。もしあまり改善が無いようであれば、歯の中にも薬剤を注入し、表面からと中からの両方からホワイトニングを行います。この際の注意点は、終了後は必ずホワイトニング剤を除去することです。 また、すべて歯が同じように白くなることはありません。しかし大きく分けると次のような分類が可能です。 

[ 白くなりやすい歯 ]

・黄色っぽい色の歯
・表面がツルっとしている歯
・厚さがある歯(ただし時間がかかります)
・着色が均一な歯

[ 白くなりにくい歯 ]

・グレーっぽい色の歯
・表面がザラザラ感のある歯
・薄い歯
・帯状の着色(バンディング)のある歯
・白い斑点(ホワイトスポット)のある歯

体に影響はないの?

過酸化水素を使用する歯のホワイトニングは、50年以上も前にその有効性と安全性が確認されていますので、歯を痛めることなく、安全に歯を白くすることができます。

過酸化水素は厚生労働省でホワイトニング剤として認可されており、安全性は確認されています。
またホームホワイトニングで主に使用する過酸化尿素は、歯肉の炎症を抑える効果があると言われており、世界の学会でもホワイトニングの安全性にか関する研究・発表において多く行われていて、安全性が認められています。

また当院で使用するライトは、熱や紫外線が出ない特殊フィルターを使用しています。