インプラントQ&A

● 誰でもインプラント治療を受けられますか?

年齢的には、顎の骨が完成する20歳前後から、健康な方であればどなたでも可能です。ただし、妊娠中の方や全身疾患のある方などは制限される場合があります。

骨不足と診断された場合でも、それを補う方法もあります。
骨を他の部分から移植したり、新しい骨を作る方法です。

● 手術には入院が必要ですか?

限られた特別な場合を除いて、入院の必要はありません。手術自体も1時間程度です。詳しくはインプラント治療の流れをご覧下さい。

● 治療期間はどれくらいですか?

術前処置、術後のメンテナンスなどもありますので、他の治療と比べると、長い治療期間が必要になる場合が多いです。お口の中の状況や治療方針によって異なります。

● インプラントは一生持ちますか?

インプラントの寿命は、患者さんのお口の中の衛生状態に大きく関係します。
インプラント自体は、人工物のため虫歯になる心配はありませんが、歯周病になることはあります。歯周病になると、インプラントの周りの骨がやせてきてしまい、最終的にはインプラントが抜けてしまう可能性があります。 インプラントを長持ちさせるために、毎日のブラッシングと、歯科医院での定期検診が必要となります。

● さし歯、ブリッジ、入れ歯、インプラントの違いは?

抜けた歯や大きく欠けた歯を治す方法方法には、さし歯、ブリッジ、入れ歯、インプラントがあります。
どの治療法で治すかは、口の中の状態、かみ合わせ、顎の骨の状態によって変わってきます。

さし歯とは、歯の大部分が失われているものの、歯の根が残っているときに用いる治療法です。さし歯にするにあったて、歯の根に問題がある場合は、根管治療を行います。
これは、歯の根に感染した細菌を取り除き、歯の根の中をきれいにしていきます。根管治療の後、歯の根に土台を取り付け、クラウンを装着します。固定性のかぶせ物です。

ブリッジは、歯が失われた部分に固定性のかぶせ物をする方法です。失われた歯の両隣の歯を削り、歯の失われた部分とその両隣の歯にクラウンをかぶせていきます。
形が橋のようなのでブリッジと名づけられました。 ブリッジも固定性のかぶせ物です。

入れ歯は、失った歯の型を取って義歯を作ります。さし歯、ブリッジ、インプラントが固定性なのに対して、入れ歯は自身で取り外し可能なものになります。
入れ歯になると、味が伝わりにくい、口の中がかさばり違和感があるなどの難点がありますが、材質を選べば味も伝わり、違和感の少ない入れ歯が作れます。

インプラントは、失った歯の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯をつくる方法です。
顎の骨にインプラントは埋めるので、充分に骨があることが必要です。審美性、機能性に優れ、ご自分の歯と同じように力を入れて噛むことができます。

どの方法の処置を選ぶにしても、その歯と長く付き合っていくことになります。
どのような材料が口腔内の状況に適しているか診査診断を基に選択していきます。

● 歯を抜けたままにしておくとどうなる?

歯が抜けたときそのままに放置しておくと、様々な問題が生じます。抜けた部位によりますが、歯が抜けた部分に隣の歯が寄ってくることにより、歯のかみ合わせのバランスが崩れます。かみ合わせが悪くなってしまうと、歯が痛んだり、顎関節症の原因にもなり、顎の周辺の筋肉が痛んだりすることもあります。

さらに、抜けた歯の反対側の歯が飛び出してくる問題が生じます。下の歯が抜けると上の歯が、上の歯が抜けると下の歯が伸びてきてしまいます。

以上のように、歯が寄ったり、歯が伸びてきてしまうことが起こると、食べ物が詰まりやすくなったり、歯並びが崩れてきます。
こうした現象は徐々に時間をかけて起こるので、そのまま放置してしまう例も少なくありません。しかし、そうなってから正常のかみ合わせに戻すための治療は、複雑になり時間もかかります。
歯が抜けたときは、そのままにせず、早めに歯医者さんに相談しましょう。

● 保険はききますか?

インプラントは保険適応されていないため、自費となります。

● 歯を支える骨がなくなってしまった場合は、インプラントはできるの?

歯周病などで歯を失うと、歯を支えていた骨が溶けてしまいます。この骨がないと、インプラントを埋入することができません。 骨量が十分あればインプラントを埋入することはできます。しかし骨量がインプラントを埋入するのに足りない場合、骨を再生させたり、移植することにより、インプラント治療が受けられるようになりました。

骨移植&骨誘導再生法(GBR法)・・・・
自分の顎の骨などから採取した骨を、骨量の足りないところに移植し、周囲を粉砕した自分の骨(自家骨)や骨補填剤で埋めて、数ヶ月置いて骨の熟成を待ちます。その際に自家骨や骨補填剤の上を、特殊な膜で覆っておくと半年後ぐらいに自分の骨に置き換わります。

サイナンスリフト・・・
上のあごの骨が足りないときにサイナンスリフトを行います。上顎左右の奥歯の上には、上顎洞(サイナンス)という空洞があります。この部分の骨が不足していると、インプラントを埋入したときに突き抜けてしまいます。そこで、歯肉を切開して骨に小さな穴を開けて、そこから粉砕した自家骨や骨補填剤を上顎洞に入れます。そこが骨に置き換わり、上顎洞を突き抜けずにインプラントを埋入することができます。この方法は、骨の厚みが5ミリ未満の場合や複数本のインプラント埋入の場合に使います。

ソケットリフト・・・
サイナンスリフトと同じく、上顎洞との間の骨の厚みを増やす方法です。上顎洞を突き抜けるギリギリまでドリルで穴を開けます。そして、ドリルで開けた穴から粉砕した自家骨や骨補填剤を入れ、さらにインプラントで上顎洞の粘膜を押し上げます。ソケットリフトは、サイナンスリフトより損傷が少なく、手術によるダメージも少ないです。

これらの方法を用いることにより、骨がやせてしまってもインプラントが可能になるケースがあります。